手根管症候群

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手根管症候群

手根管症候群とは

手根管症候群とは、手首の手根管と呼ばれる部分で、中手神経が圧迫されることによって引き起こされる手や指の痛みやしびれといった症状を指します。
この病気は、様々な要因によって引き起こされることがあります。
例えば、長時間同じ姿勢を続けたり、手首や手の負担がかかったりすることが原因となることがあります。
また、糖尿病や甲状腺疾患などの基礎疾患がある場合にも発症することがあります。

手根管症候群は、放置すると、手の機能が低下することもありますので、早期の対処が重要です。
治療法としては、軽度の場合は湿布やストレッチなどの自己管理が有効です。
重度の場合は、手術が必要なこともあります。
しかし、手術は痛みやリスクが伴うため、手術を行う前に、よく検討することが必要です。

手根管症候群と妊娠や糖尿病

手根管症候群は、手首の手根管内の神経が圧迫されることで起こる疾患です。
妊娠中の女性は、ホルモンの変化や体内の水分バランスの変動により、手根管内の腱が腫れやすくなり、手根管症候群を発症しやすくなります。
手根管症候群は、手首や手の痛みなどの症状を引き起こすため、妊娠中の女性にとっては深刻な問題となることがあります。

また、糖尿病患者にとっても手根管症候群は注意が必要です。
糖尿病は、神経の機能低下を引き起こし、手根管内の圧力が上昇することがあります。
このため、手根管症候群の発症リスクが高くなり、治療が遅れることで、悪化する可能性もあります。
適切な治療を行うことが、手根管症候群の症状の軽減や回復につながるため、糖尿病患者は定期的な検査を受けることが重要です。

手根管症候群の診断方法

問診と身体検査

手根管症候群の診断は、まず医師が問診を行い、症状や発症の経緯を詳しく聞きます。
その後、身体検査で手や指の感覚、筋力、関節の状態をチェックし、症状が手根管症候群によるものかどうかを判断します。

神経伝導速度検査

神経伝導速度検査は、中手神経の機能を測定する検査です。
電極を手に当て、電気刺激を与えて神経の伝導速度を調べます。手根管症候群では、神経伝導速度が低下することがあります。

画像検査(X線、MRI、超音波検査など)

手根管症候群の原因を特定するため、X線やMRI、超音波検査などの画像検査が行われることがあります。
これらの検査により、骨折や腫瘍、関節炎など、他の疾患が手根管症候群の原因であるかどうかを確認します。

手根管症候群の治療法

自己ケアと予防策

手根管症候群の初期段階では、自己ケアや予防策が効果的です。
適切な休憩やストレッチ、手首のサポート具の使用、手首を過度に曲げない工夫などが症状の改善につながります。

薬物療法

痛みや腫れがひどい場合、医師の処方により、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイドの注射が行われることがあります。
これらの薬は、炎症を抑えて痛みを緩和する効果がありますが、長期的な使用には副作用があるため、医師の指示に従って使用することが重要です。

スプリント療法

手根管症候群の治療法の一つとして、スプリント療法があります。
手首を固定し、中手神経への圧力を緩和するために、夜間に特殊な装具(スプリント)を装着します。スプリント療法は、症状の進行を抑えるために有効な方法です。

手術治療

症状が重度で、自己ケアや薬物療法が効果を示さない場合、手根管リリース術という手術が行われることがあります。
この手術では、手根管の屋根を形成する横靱帯を切開し、中手神経への圧力を解放します。手術後は、リハビリテーションが必要となります。

リハビリテーション

手術後や治療中の手根管症候群患者には、リハビリテーションが推奨されます。
リハビリテーションでは、筋力や可動域の回復、痛みの緩和、日常生活への復帰を目的としたエクササイズが行われます。

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