頭痛

頭が痛い

日本人の4人に一人は頭痛で悩んでいるといわれています。

当院へも頭が痛いという訴えをされる方が、たくさん来院されています。

多くの方が経験するおなじみの症状です。頭痛を感じたことがないという方は非常に少ないと思います。

家事や仕事の効率が下がったり、仕事を休んだりなど人生の質に少なからず影響を与えます。中には頭痛が離婚の原因となる場合もあるようです。「たかが頭痛」と決して軽視できないものです。

また頭痛は、他人からは本人の辛さは計り知れないものなので、頭痛の辛さに加えて周囲から理解を得られないという二重の辛さになります。

「頭痛」は、熱や腹痛と同様に症状名ですが、慢性的に頭痛発作を繰り返す場合には病名として扱い「頭痛症」と呼ばれます。

数年に渡って繰り返している頭痛は慢性頭痛で、生命への危険はない場合が多く、一次性頭痛と呼ばれます。偏頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛に分類されます。

それに対して二次性頭痛は、脳の異常によって出てくるものです。

目次

一次性頭痛

どこにも原因となる病気がなく、頭痛だけが症状であるものです。

片頭痛

女性多い頭痛です。「偏頭痛」と書かれることもありますが、正式な診断名は「片頭痛」です。低気圧が近づいた時、生理の時、二度寝、ストレスが一段落した時にでやすいようです。

片頭痛という名から、頭の片側におきる印象がありますが、4割の方は頭の両側におきています。

症状

発作を繰り返す頭痛で、頭痛発作は4~72時間続きます。多くは頭の片側におき、ズキンズキンと痛みます。痛みの程度は中~重程度です。

階段の昇り降りなど、日常的な動作で頭痛がひどくなります。また吐き気や嘔吐、明るい光の刺激やうるさい音で頭痛が悪化する「光過敏」「音過敏」もあります。普段は気にならない「臭い」が気になることもあります。

「前兆のある片頭痛」と「前兆のない片頭痛」

前兆のある片頭痛

前兆症状は,キラキラした光,ギザギザの光が視界にあらわれ見えづらくなる(閃輝暗点)といった視覚性の症状が最も多く(90%以上),ほかにもチクチク感や感覚が鈍くなる感覚症状,言葉が出にくくなる言語症状などがあります。

閃輝暗点(せんきあんてん)とは、視野の中心にキラキラした点や見えにくい部分が現れ、しだいに物が歪んで見えたりします。その後、見えにくかった部分が眩いしほど輝いて見えます。

緊張型頭痛

女性多い頭痛です。一次性頭痛の中ではもっとも頻度が高く、頭痛で悩む人の約6割は緊張型頭痛に分類されます。
小児から中高年まで、幅広い年齢におきる頭痛です。

症状

頭が締め付けられるように痛み、後頭部から首すじにかけての重苦しい感じや圧迫感があります。
頭の両側におき、偏頭痛と違って階段の昇り降りのような動作で悪化することはありません。

吐き気はなく、痛みは中程度で寝込むほどではありません。肩こりが原因の場合もあります。また「光過敏」「音過敏」はあってもどちらか一方です。

以下のような特徴があります。

  • 頭全体や後頭部に痛みがでる。
  • 痛みの強さはあまり変化せず、変化したとしても急激ではない。
  • 毎日頭痛がある。
  • ズキズキしたり、寝込むほどではない。
  • 肩こりを伴うことが多い。

反復性緊張型頭痛

痛みは軽度で比較的短時間で治る頭痛です。医療機関を受信することはあまりありません。

頭や首、肩の筋肉の緊張から起こることが多いと考えられています。デスクワークなど同じ姿勢を続けたことによる血行の悪化などから炎症がおきます。

慢性緊張型頭痛

慢性緊張型頭痛は、脳そのものが痛みを感じやすいのではないかと考えられています。心配ごとや不安などの精神的ストレスが関連していることも多く見られます。

群発頭痛(三叉神経・自律神経性頭痛)

20代から30代の働き盛りの男性多い頭痛です。

症状

片側の目の奥がえぐられるような強烈な痛みが起こります。

年1~2回ほど発症し、頭痛が起こる「群発期」には1回につき1~2時間程度の激しい痛みが1~2カ月間にわたって続くことが多い。頭痛のない時期が数ヶ月から数年続くこともあるようです。

痛みのある側の目が充血したり、涙がポロポロ出る、瞳孔が小さくなる、鼻水などの症状を伴うことがあります。痛みのためじっとしていられなかったり、落ち着きのない様子がみられます。

動作によって痛みが強くなる片頭痛と違い、激しい痛みでじっとしていられないのが特徴です。

二次性頭痛

脳に異常があっておきる頭痛です。脳腫瘍、髄膜炎、脳炎、クモ膜下出血や脳卒中など、脳や頭部の病気の症状として出てくる場合があります。

以下のような症状の場合は、すぐに受診する必要があります。

  • いままで経験したことのない頭痛
  • いつもと様子が異なる頭痛
  • 頻度と程度が増していく頭痛
  • 50歳以降に初発の頭痛
  • 発熱、項部硬直、髄膜刺激症状

参考:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』

参考:一般社団法人 日本頭痛学会

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