筋緊張性肩こり

目次

筋緊張性の肩こりとはどんな症状か

筋緊張性の肩こりの定義と特徴

筋緊張性の肩こりとは、肩周辺の筋肉が過度に緊張して硬くなり、血行不良や神経圧迫などを引き起こすことで、肩や首に痛みや重だるさを感じる状態です。
筋緊張性の肩こりは、同じ姿勢や眼精疲労、運動不足、ストレスなどが原因で起こることが多く、現代人に多い肩こりのタイプです。

筋緊張性の肩こりの特徴は、以下のようなものがあります。

  • 肩や首だけでなく、頭部や背中にも痛みやコリが広がる
  • 痛みやコリが持続的であり、一時的には和らげられてもすぐに再発する
  • 痛みやコリが左右対称であり、片側だけではない
  • 痛みやコリが鈍くて重い感じであり、鋭くて突き刺さる感じではない

筋緊張性の肩こりによる頭痛やめまいなどの合併症

筋緊張性の肩こりは、そのまま放置すると、頭痛やめまいなどの合併症を引き起こす可能性があります。

これは、肩周辺の筋肉が血管や神経を圧迫することで、脳への血流や神経伝達が妨げられるためです。

筋緊張性の肩こりによる頭痛は、「緊張型頭痛」と呼ばれるタイプで、日本で約2000万人かかっていると言われているものです。

頭全体がギュッと締め付けられるような感じで、持続時間は数時間から数日に及ぶことがあります。

筋緊張性の肩こりだけでなく、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れなども原因になります。

筋緊張性の肩こりによるめまいは、「頸性めまい」と呼ばれるタイプで、首の後ろや側面にある神経や血管が圧迫されることで起こります。

頸性めまいは、立ちくらみや動悸、耳鳴り、吐き気などの症状を伴うことがあります。

頸性めまいは、筋緊張性の肩こりだけでなく、首の捻挫や骨折、脳血管障害なども原因になります。

筋緊張性の肩こりによる頭痛やめまいは、重度になると日常生活に支障をきたすこともあります。そのため、早めに適切な治療を受けることが大切です。

筋緊張性の肩こりと他の肩こりの種類との違い

肩こりには、筋緊張性のほかにも、「関節性」「神経根性」「内臓性」などの種類があります。それぞれの特徴や原因は以下のようになります。

  • 関節性:肩関節や胸郭関節が動きにくくなることで起こる肩こり。 関節周囲の筋肉が硬くなったり、関節内部に炎症が起きたりすることが原因。関節を動かすと痛みが増す。
  • 神経根性:首から背中にかけて走る神経根(脊髄から出ていく神経)が圧迫されることで起こる肩こり。 椎間板ヘルニアや頚椎症などが原因。神経根を刺激すると電気が走るような痛みが出る。
  • 内臓性:心臓や胆嚢などの内臓器官に異常があることで起こる肩こり。 内臓器官から神経を通じて反射的に肩に痛みが出る現象。心臓や胆嚢以外にも、胃や腎臓なども関係する。

これらの種類の肩こりは、それぞれ異なる治療法や予防法が必要です。
自分の肩こりがどのタイプなのかを正しく診断するためには、医師や専門家に相談することがおすすめです。

筋緊張性の肩こりの治療法

筋緊張性の肩こりの治療法には、以下のようなものがあります。

  • マッサージやストレッチなどで筋肉をほぐす
  • 湿布や温熱療法などで血行を促進する
  • 痛み止めや筋弛緩剤などの薬を服用する
  • 鍼灸や整体などの代替療法を試す
  • 筋肉のバランスを整えるために適度な運動をする
  • ストレスや睡眠不足などの生活習慣を改善する

これらの治療法は、自分で行うこともできますが、効果が不十分な場合や症状が悪化する場合は、医師や専門家に相談することが必要です。 また、治療法を選ぶ際には、自分の体質や症状に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。

筋緊張性の肩こりの予防法

筋緊張性の肩こりの予防法には、以下のようなものがあります。

  • 姿勢や作業環境を改善する
  • 長時間同じ姿勢でいることを避ける
  • 肩や首を動かすストレッチやエクササイズを行う
  • マッサージや温熱療法などで筋肉をほぐす
  • 適度な運動やリラクゼーションでストレスを解消する
  • 睡眠時間や食事バランスに気をつける

これらの予防法は、日常生活に取り入れることで、筋緊張性の肩こりの発生や悪化を防ぐことができます。 また、予防法を実践することで、肩こり以外にも、頭痛やめまいなどの関連症状も軽減することが期待できます。

筋緊張性の肩こりと関係する病気

筋緊張性の肩こりは、単に筋肉が硬くなるだけではなく、他の病気と関係することもあります。

例えば、以下のような病気が挙げられます。

  • 頚椎ヘルニア:首の椎間板(脊椎間にあるクッション)が飛び出して神経根を圧迫する病気。首や肩だけでなく、腕や手にもしびれや痛みが出る。
  • 頚椎症:首の骨(頚椎)が変形して神経根や血管を圧迫する病気。首や肩だけでなく、頭や目にもめまいや視力低下などの影響が出る。
  • 筋筋膜性頭痛:首から頭にかけて走る筋肉(頭頸部筋)やその包んでいる膜(筋膜)が緊張することで起こる頭痛。首や肩の筋肉が硬くなり、頭全体に痛みが広がる。
  • 頭蓋内圧亢進症:脳や脊髄の周りにある液体(脳脊髄液)の量が増えて、頭の中に圧力がかかる病気。頭痛やめまいだけでなく、視力障害や吐き気なども出る。
  • 偏頭痛:特定の部位に激しい痛みが起こる頭痛。光や音に敏感になったり、オーラと呼ばれる視覚異常を伴ったりすることもある。

これらの病気は、筋緊張性の肩こりと似た症状を引き起こすことがありますが、原因や治療法は異なります。

そのため、自分の症状がどの病気に該当するのかを正しく判断することが重要です。 また、これらの病気は、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。

そのため、早めに医師や専門家に相談することが必要です。

まとめ

筋緊張性の肩こりは、日常生活でよく見られる肩こりの一種です。筋肉が硬くなって血行が悪くなることで起こります。

筋緊張性の肩こりは、頭痛やめまいなどの関連症状を引き起こすこともあります。筋緊張性の肩こりは、マッサージやストレッチなどで筋肉をほぐしたり、生活習慣を改善したりすることで治療や予防ができます。

しかし、筋緊張性の肩こりは、他の病気と間違えることもあります。

そのため、自分の症状がどのタイプの肩こりなのかを正しく診断するためには、医師や専門家に相談することがおすすめです。

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