整体とは

◎体の治る力を助ける穏やかな15分ほどの施術で、重心の偏り・体の巡り・関節の可動域などが改善し、体が息を吹き返していきます。

目次

整体という言葉の意味と概念

整体(せいたい)とは、日本語では主に手技を用いた民間療法、代替医療を指します。
文字通り「体を整える」という意味を持ち、体の歪みやバランスの乱れを調整することで、健康な状態へと導く施術法として位置づけられています。

整体とは、体のゆがみを整え、健康を保つための施術を行う技術です。
この「体のゆがみ」とは、単に骨格の物理的な歪みだけではなく、筋肉の緊張バランス、血液やリンパの流れ、さらには体全体の機能的な調和を含む広い概念として捉えられています。

日本語としては、大正時代に用いられるようになった用語で、アメリカで誕生したカイロプラクティック・オステオパシー・スポンディロセラピーなどと日本古来の手技療法と組み合わせたものを、「整体」や「指圧」と名付けたのが始まりのようである。
つまり、整体は西洋から伝来した手技療法と、日本に古くから存在していた手技療法が融合して生まれた、日本独自の療法といえるでしょう。

整体の基本的な定義

整体業とは、この整体という手技療法を専門的に提供する事業を指します。
民間療法であり、医療制度から見れば補完代替医療の一種であるが、保険適用外であるため、通常医療と共に病院で補助療法として用いられることはない。

法制度の観点からは、医業類似行為の一種とされるものの、医療行為そのものではありません。
これは重要な点で、整体師は病気の診断や治療を行うことはできず、あくまでも体の不調和を整えることで、自然治癒力を高めることを目的としています。

日本標準産業分類では「療術業」の中の「その他の療術業」に分類されており、正式な産業として認識されています。
しかし、整体師や整体を名乗るのに規制は無いため誰でも整体師として開業ができるという特徴があります。

整体の多様性と統一性の欠如

整体業界の大きな特徴として、その多様性と統一性の欠如が挙げられます。整体に定まったやり方はなく、人によって理解・解釈は異なるのが現状です。

この多様性の背景には、整体の成り立ちが関係しています。
日本古来の柔術と中国伝来の拳法が生み出した「活法」・「骨法」として受け継がれてきた救急蘇生術、活法に南蛮(ヨーロッパ)渡来の外科と蘭学由来の解剖がもたらした知識が織り交ざって誕生した整骨(せいこつ、ほねつぎ)、中国から伝わり日本で独自の発展をした鍼灸、中国医学の推拿(すいな)から日本固有の発展をした按摩(あんま)、漢方医学や民間に伝わるさまざまな治療法の技術など、多様な源流が混在しているためです。

当時の施術家たちの独自の工夫や独自の思想によって混ざり合っており、定まったやり方はないという状況が、現在まで続いています。
現在も整体は整体師・各営利団体によって更に変貌を続け、様々な独自の手法、独自の思想、独自の理論が展開されており、整体を名乗る療法を統一した手技療法とすることは困難であるとされるのです。

整体の社会的位置づけ

整体業は、現代社会において重要な役割を果たしています。
整体の基本概念は、体が持つ自己癒力に重点を置いています。施術者は、体のゆがみや姿勢の崩れを整えることで、自然な流れを取り戻し、身体の機能を最適化します。

特に、肉体的な不調だけでなく、精神的なストレスの軽減にも寄与するとされています。
現代のストレス社会において、整体は単なる身体の調整にとどまらず、心身のバランスを整える役割を担っているといえるでしょう。

日本の社会は高齢者の人口が増える高齢化社会を迎えています。
そうしたなか、国は健康寿命を延ばす取り組みをしており、いつまでも元気で動けるように心がける高齢者も増えています。
このような社会背景の中で、病院に通うほどではないけれど、身体の調整や不調の回復が必要な人は増えていると考えられるのです。

整体と医療の境界

整体業を理解する上で重要なのは、医療との明確な境界です。
整体師として無資格で働けるとはいえ、関連する法制度について理解しておくことが大切です。
日本には「あん摩マッサージ指圧師法」や「柔道整復師法」などの法律があり、人体への施術のうち一定の行為は国家資格を持つ人だけが行えると定められています。

治療を目的としたマッサージや指圧、はり灸(鍼灸)、骨折・脱臼の整復などの医業類似行為は、資格保有者でなければ行えません。
整体師は、これらの医療行為に該当しない範囲で、体のバランスを整える施術を提供しています。

整体の現代的意義

現代において整体業は、ストレス社会と呼ばれる現代において、整体に対する関心が高まる中で、施術者には技術だけでなく、心理面でのサポートも求められるようになっています。

整体はその歴史と基本概念に裏打ちされた、幅広い可能性を持つ業種です。
自身の健康を保ち、心身のバランスを整えるために、この整体という療法に頼る人々が増えているという状況は、整体が単なる施術技術を超えて、人々の生活の質を向上させる重要な役割を担っていることを示しています。

整体は、ただの施術ではなく、より良い生活を送るためのサポートとして、多くの人にとって重要な存在となっています。
これは、整体業が現代社会のニーズに応える形で発展し、人々の健康維持や生活の質の向上に貢献していることを表しています。

押小路治療室が考える整体

当院では、整体業を「体の静けさと快適さを取り戻す」ための専門的なサービスと考えています。
これは単に物理的な調整にとどまらず、体の内側から生まれる自然な調和を重視した考え方です。

整体業の本質は、痛みや不調を「治す」ことではなく、体が本来持っている「自ら良くなろうとする力」を引き出すことにあると考えています。
体と重力との関係性に着目し、無理のない穏やかな調整によって、体の内部環境を整えていきます。

20年以上の施術経験から申し上げると、整体業は単なる技術の提供ではありません。
一人ひとりの体の状態を丁寧に観察し、その方に最適な調整を行うことで、快適な日常生活を送れるようサポートする専門職です。
短時間の施術でも、体の中心となる軸を整えることで、全身のバランスが改善し、結果として様々な不調が和らいでいくのです。

整体業は、医療では対応しきれない「機能的な不調」に対して、独自のアプローチで人々の健康維持に貢献する、現代社会において欠かせない存在となっています。
当院も、この整体業の一員として、皆様の「体の快適さと静けさ」を取り戻すお手伝いをさせていただいております。

参考

治療室情報
所在地:107-0062 東京都港区南青山2丁目2-15 ウィン青山726
TEL:03-5843-0071
アクセス:大江戸線/半蔵門線/銀座線・青山一丁目駅徒歩2分
営業時間:月~金 11:00~20:00 土日祝 9:00~19:00
休業日:火または水 不定休
届け出:港区みなと保健所届け出済み施術所
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