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東京都台東区 C.N様 50代女性 会社員 《人工股関節置換後に右膝が痛い》
先天的な股関節の問題と人工股関節の手術後に出た右ひざ外側の痛み、その後の経過
プロフィール・主な悩み
- 幼い頃に右の股関節がはずれやすい状態(先天的股関節脱臼)でした。
- 後に人工股関節の手術を受け、体のバランスはよくなりました。
- しかしその後右ひざの外側が痛い(とくに階段を下りるとき)。
- デスクワークで疲れやすい、肩こり、便秘気味。
- フラメンコが趣味。
- 近年は左のおしりの付け根あたり(仙腸関節付近)の違和感や、右もも裏(ハムストリングス)の張りを感じる時期もありました。
施術後の経過
- 施術後はぐっすり眠れて、朝もすっきり。ひざ外側の痛みが軽くなった。
張りは残るため、無理ない範囲でストレッチ継続。 - 右ひざの腫れは落ち着く方向。
- ひざの違和感なし。
- この日は左の仙腸関節まわりを重点調整。
- 右もも裏の張りが目立つ。
- ダンスの本日に向けて体をメンテナンス。
ご来院までの背景
- 先天的な股関節の問題があると、股関節の受け皿が浅いなどの理由で、成長後も体の使い方に偏りが残ることがあります。必要に応じて人工股関節の手術が選ばれることがあります。
- 手術で痛みや動きは良くなる一方、歩き方のくせや体重のかけ方(重心)が元に戻らないと、ひざや骨盤まわりに負担が集まることがあります。
- 階段を下りるときのひざ外側の痛みは、太ももの外側にある腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)に負担がかかると起きやすい症状です。
- 左の仙腸関節の違和感は、右脚をかばう反対側の代償として出やすい部位。
来院時のようす
- 立ち方:右の人工股関節を気づかって、重心が無意識に左へ逃げる日がある。骨盤がわずかにねじれ、胸まわりの動きが浅い。
- 歩行・階段:階段を下りる時に右ひざが外へ流れやすい。本来、股関節で受け止める動きをひざで代わりにやってしまう。
- 骨盤まわり:左のおしりの付け根に伸ばされるような痛み。長く座ると再発しやすい。
- 休息反応:施術を受けた夜は眠りが深くなる傾向。睡眠の質は回復にも影響します。
当院の見立て
核にあるのは、内側のゆがみと重力との不一致。
- 股関節—骨盤—胸のつながりが弱まり、右ひざ外側に負担が集中 → ひざ外側の痛みへ。
- 左の仙腸関節は、右脚をかばう反対側の緊張として出やすい。
- 結果として姿勢が崩れ、重心が片寄り、呼吸も浅くなることで不調が増幅していました。
施術の方針
- 全身調整:
足 → ひざ → 股関節(人工関節を尊重) → 骨盤 → 胸 の順につながりを回復し、重心の片寄りを少しずつ戻します。 - 穏やかな施術:
短時間でやさしい手当てで、血のめぐりと呼吸を整え、自分で回復する力を引き出します。 - 具体例:
- 足元のかたさをほどき、太もも外側ラインの過緊張を軽減(ひざ外側の土台づくり)。
- 骨盤のスライド・回転の微調整で、股関節から折れる動きを通しやすくする。
- 胸の広がり(呼吸)を回復し、前かがみでしか楽にならない歩きから、自然に背すじが起きる歩きへ。
- 左右差のクセ(仙腸関節まわり)をやわらげる小さな介入。
- 動きの再学習(階段):
股関節から折る → ひざはつま先の方向にそろえる(内側に入れない) → 静かに接地。ひざ外側の痛み対策の基本です。
経過の要点
- 短期:施術当夜の熟睡、翌朝の軽さ。歩き出しが軽くなり、階段でのひざ外側痛が少しずつ減る。
- 中期:ひざの腫れが引く、「違和感なし」の日が増える。移動や軽いエクササイズも再開しやすくなる。
- 変動期:左の仙腸関節の違和感や右もも裏の張りが出る日も、ぶり返しの幅は小さくなっている。
- 現在:舞台本番に向け、疲れをためないペース配分を実践中。
よくある質問
- 人工股関節でも施術できますか?
-
できます。人工関節に負担をかけない範囲で、全身のつながりと姿勢を整えます。強い痛み・発熱・腫れなど異常がある場合は医療を優先します。
- 階段でひざの外側が痛む理由は?
-
太もも外側のバンド(腸脛靭帯)に負担が集中しやすいことがあります。股関節から折る動きとひざの向きの管理で軽くできる可能性があります。
- 左の仙腸関節や右のもも裏の張りは関係ありますか?
-
はい。重心の片寄りや体のねじれが残ると、反対側や後ろ側に負担が移りやすくなることがあります。全身のつながりを戻していくことが大切です。
- 施術後に眠りが深くなるのは?
-
呼吸と血のめぐりが整い、体がリラックス状態に入りやすくなるためと考えられます。寝る前の環境づくりも併せて行うと効果的です。
まとめ
この症例は、人工股関節の手術で良くなった後に、右ひざ外側の痛みや左の骨盤まわりの違和感、右もも裏の張りが出たケースです。
内側のゆがみと重心の片寄りを整え、股関節—骨盤—胸のつながりを回復すると、歩行・階段・睡眠の質が少しずつ上向き、「違和感なし」の日が増えていきました。
当院の短時間でやさしい全身調整は、体のめぐりを整え、自分で良くなろうとする力が働くための土台づくりです。

