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東京都渋谷区 T.I様 40代女性 薬剤師《背中の痛み・ダンスによる腰痛》
プロフィール:薬剤師。アクアビクス・プールウォーキング、フィットネスクラブ通っていらっしゃる。
時期により舞台(和太鼓・フラメンコ・日舞・ベリーダンス)や日本画制作に集中する期間がある。
主訴(初回):背中の痛み・腰痛。
- ダンス稽古が重なると右肩〜腕の違和感、左肩の痛み、左腰(股関節)の痛みが増す。
- 和太鼓で転倒し膝を打撲、足甲痛、足関節捻挫、尾骨痛(長時間の同一姿勢で絵を描いた後)。
- 足底の鈍痛(足底筋膜炎を疑う)、数日で左足裏は改善。
- 右肩の挙上で痛み(自粛期の活動減の後に再開)。
- ソファからの立ち上がり後のぎっくり腰、腰のひねりで左腰痛など。
ご来院の経緯
- 急性/繰り返す腰背部の痛み
急性腰痛は動ける範囲で日常活動を続ける・温冷の活用・少量×高頻度の運動が推奨されます。 - 尾骨痛(座位長時間・制作後)
尾骨痛は転倒や長時間座位、姿勢要因でも起こり、セルフケアで改善する場合があります。 - 足底の鈍痛/足底筋膜炎の疑い
朝の一歩目や長時間後に足底が痛むの。 - 肩の痛み(挙上痛・反復使用)
腱板関連痛。夜間痛・挙上時痛があれば医療評価を併走。リハビリ的運動は有効。 - 捻挫など小外傷
- ダンス・和太鼓・長時間制作
ダンサーでは過用障害が多く、腰・股・足関節に負担が集中しやすいことがあります。
来院時の観察
- 立位:その日の疲労履歴で重心の偏りが変動(左後外方に逃げやすい日あり)。体のアライメントの乱れが肩甲帯や腰背部に張力を集める。
- 座位:制作・読書・PCで前かがみ+首の固定が続きやすく、胸郭の可動が小さくなる。ワークステーション自己点検の活用が有効。
- 歩行・足部:足底の張りが強い日は下腿—ハム—殿筋の連動性が途切れがち。
当院の見立て
不調の核は外見からはわからない内側の歪みと重力との不調和。
- 長時間座位や同一作業で呼吸の振幅(体の巡り)が小さくなり、背部筋・腱板・足底など局所に負担が偏る。
- 重心の偏りを縮め、体のアライメントを整えることは重要。
当室は医療を代替せず、短時間で無理・無駄のない穏やかな施術により自ら治る力(自然治癒力)が働く内部環境を整える自然療法です。
当院の施術方針
- 局所に頼らない:背中や腰を“点”で揉むのではなく、力の通り道を作り直す。
- 急性腰痛期:軽度の痛みの範囲での可動・歩行を促し、過度の安静は避ける。
- 肩の挙上痛:腱板に配慮し、胸郭—肩甲胸郭面の滑走を優先してから末端へ。
- 尾骨痛:座位姿勢の工夫(座圧の分散)+骨盤の微調整で負担を減らす。
- 足底の鈍痛:足部—下腿ラインを整え、朝一の“最初の数歩”対策(段階的荷重)を案内。
経過
- ダンス多忙期に肩・股関節・足部が波立つ → 全身調整+負荷設計で日常復帰。
- 長時間の同姿勢で尾骨痛→座面調整と骨盤の余白づくりで緩解傾向。
- 足底痛→セルフケア併用で短期に改善。
- ぎっくり腰をおこしやすい。動ける範囲で活動継続/冷温法で回復を後押し。
よくある質問(Q&A)
- ぎっくり腰の“安静”はどの程度?
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できる範囲で日常活動を継続してください。長期安静は回復を遅らせます。
- 尾骨痛は整体で良くなりますか?
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原因により異なります。転倒や座り方の癖、長時間座位が背景にあることが多く、座位調整と全身の連動回復で日常のしやすさが戻る方がいます。
まとめ
本症例は、仕事・運動・制作が季節的に偏ることで、背中・腰・肩・足底に波”として現れる不調でした。共通項は、内側の歪みと重力との不調和から生じる重心の偏りと連動性の途切れ。
穏やかな施術で体の巡りと体のアライメントを整え、自ら治る力(自然治癒力)が働きやすい内部環境をつくることで、再燃しても戻り幅が小さい体へと近づいていきます。

